縁をみつける

【福岡県春日市】白水理事長が作る“先生たちが日本一幸せを感じる職員室”とは?子どもの“できる”を信じるために

学校法人白水学園 森の木幼稚園・くすの木幼稚園

白水剛理事長

理事長 白水剛

1967年1月19日生。父は白水学園2代目理事長、母は小学校の先生という教育一家に生まれた反動か・・・幼少期は隠れてコソコソと悪さをする「コソ悪」だったそう。『現在の雰囲気からは想像できません』とお伝えすると、「そうですよねっ!」と茶目っ気の残るご返答をいただきました。現在は「幼稚園は日本一素晴らしい仕事」と、おっしゃっていますが、最初からそうだったわけではないそうです。過去には職員の離脱、園児数減、大きな事故も経験し、そんなことを乗り越えようとしている現在進行形の白水理事長です。

 

目次

 

どの子もできる
14日目の「おはよう」
「やってみたい」この気持ちを引き出す
楽しければいい!…だけじゃない?
先生が日本一幸せを感じる職員室
上司がいる意味とは
来世はソフトバンクホークスか理事長か

 

 

どの子もできる

 

白水学園は福岡県春日市で
「森の木幼稚園」「くすの木幼稚園」を運営している学園だ。

 

そんな、白水学園を一言で表すのであれば
「どの子もできる」 ~ANY CHILD CAN DO~

 

この言葉を全職員が信じて毎日の保育を行っているそう。
白水理事長は幼児教育の目的は「自立させること」と断言する。

 

『どういうことですか?』と問うと…


幼児期の自立とは、
小さな壁を乗り越えて
子どものできることが一つ、また一つと増えていくこと。

 

そして、「できたっ!」という小さな自信を積み上げて
小学校へ送り出すことだと。

 

しかし、目の前の壁を乗り越える時には苦痛が伴う

 

その苦痛を「かわいそうだから」と
大人が取り除くのか
一緒になって乗り越えていくのか

 

言葉で表すのは簡単だが、
そのプロセスをそばで見ている時は
先生もつらいし、親はもっとつらい。

 

でも、そんな時こそ
「どの子もできる」と信じて
サポートしていくことが
先生の役割だと思っている。

 

白水理事長はさらに、
「子どもが挑戦して壁を乗り越える機会を大人が奪ってはいけない。その経験が将来の壁を突破する本物の自信につながっていくのだから」と話されていた。

 


14日目の「おはよう」

 

白水学園ではできるようになることの一歩目は、
・自分から「挨拶」
・呼ばれたら「返事」
・履物を「そろえること」
このような人として大切なことから始める。

 

入園当初、登園してきた新入園児A君に
「おはようございます」と声をかける白水理事長。

 

園児一人ひとりに挨拶する白水理事長

 

A君  「・・・」※黙り込んでしまう
理事長「おはよ~う!」
A君  「・・・」
理事長「お!・・・だけ言ってみようか」
A君  「・・・」

 

でも、白水理事長は「この子もできる」と信じていた。

だから、待った。
1分、3分、5分…。
「また明日、声を聞かせてね!」と励まし、
次の日も待ち続けた。

 

「家ではできるのに…」と下を向く園児の母親に
「大丈夫。必ずできます!」と理事長が励ます。

 

次の日も、その次の日も待ち続けた。
そして、14日目の朝

 

理事長「おはようございます!」
A君 「……おはようございます」

 

小さな声だが、確かに聞こえた。
自分自身で壁を乗り越えた園児の姿に、
「できたね!」と歓喜した。
お母さんは涙を流して喜んでいた。

 

このように子どもは、「自分なりのこだわりや恥ずかしさがあり、本来できるのに、やらないことがある」と、白水理事長はいう。

 

そこに根気よく寄り添い
「できないことをできるようにする」ことが、
“先生の仕事”だと、白水理事長は語る。

 

そして、園児の小さな「できた」が、
子どもの自信を育んでいくと教えてくれた。

 


「やってみたい!」 この気持ちを引き出す

 

白水学園では
子どもの「やってみたい」という主体性
いかに引き出すかを重要視している。

 

「やってみたい」という気持ちにならなければ
「やらされている」ことになってしまう可能性もある。

 

「園の方針だから」という理由で教育をしていては
子どもの“苦手”を作り出し、
“自信”を得る機会を奪う可能性もある。

 

その結果、園児たちは
先生や園のことを嫌いになってしまうかもしれない。

 

だが、子どもの「やってみたい」という
主体的な気持ちを引き出すことは簡単ではない。

 

もちろん「させなければならい」こともある。
だからこそ
「目の前ことをやらせる前に、子どもとの信頼関係を築くことがまず大切」
と、白水理事長はいう。

 

この子は
何が好きで、何が得意なのか?
何が嫌いで、何が苦手なのか?
家庭環境はどうなのか…?

 

書類で確認するだけでなく、
園児と一緒に昼食を食べて、遊んで
共に時間を過ごす行動をすることで
少しずつ理解していく。

 

オーガニック給食を食べる先生と子どもたち

 

先生がその子を深く理解することで
子どもの安心感を育み、
それが子どもの「やってみたい」を引き出すことにつながる

 


楽しければいい!…だけじゃない?

 

「楽しければいい!」

 

そんな、以前の教育方針に疑問を持ったのは約20年前。
白水学園の卒園児である長女の
小学校入学がきっかけだった。

 

白水理事長は自身の長女を、
「毎朝泣いて登園する、白水学園史上最長の記録保持者だ」と苦笑しながら語る。

 

当時は「何でこんなに泣くのか理解できなかった」。

 

それでも、登園後しばらくしたら笑顔に戻っていく。
だから「まあいっか」と、
楽観的に捉えていた。

 

しかし、長女が小学校に入学後、
様々な人間関係でつまずく姿が見られた。

 

白水理事長はその原因に視点を置き、
一人の父親として何を教えればいいのか?
そして、楽しいだけの幼稚園でいいのか?
と、自園の教育カリキュラムに疑問を持った。

 

園児と遊ぶ白水理事長

 

「楽しい」には二通りある。
一つは、純粋に好きなことをする「楽しさ」
もう一つは、できないことができるようになる「楽しさ」だと。

 

それを具体化する新しい教育カリキュラムを理事長は取り入れた。
毎日、運動や知育や感性的な保育を継続する内容だそうだ。

その中で、毎日20分行う“体操の時間”がある。
子どもは、4年間の園生活中、
毎日体操に取り組み、
卒園までに逆立ち歩きができるようになることを
目標としている。                                                                               

 

体操の時間の様子。園児たちは毎日20分間取り組む

 

小さな目標達成をスモールステップで繰り返し、
大きな目標に近づいていく。
子どもは挑戦と失敗を繰り返し、成功体験を積み上げていく。

 

しかし、「改革」には反対意見がつきもの。
保護者からの大きな反発があったという。

 

当時を振り返り、
「子どもをたくましくしたいという“想い”だけで強行してしまったものだから、反発が起こるのもあたりまえ。充分な説明もできていなかった。当時はまだ、保護者と向き合えていなかった」と自責の念を語る白水理事長。

 

何とか始まった新たな教育カリキュラムだが、
保護者からの意見に、諦めそうになることもあった。

 

「そんな時に支えてくれたのは、私の想いに賛同してくれた先生たちの姿でした」

 

先生たちが一生懸命、園児に励ましの声をかけ続ける姿や
「どうすれば、できるようになるか」と悩む姿に、
「私があきらめたら、先生たちもあきらめる」
という気持ちになった。

 

逆立ち歩きを披露する園児たち

 

新たな教育カリキュラムを取り入れてから3年後、
目標だった「逆立ち歩き」を年長男の子全員が達成した。

 

「どの子もできる」
白水理事長の心に“信念”が深く刻まれた瞬間である。

 


先生が日本一幸せを感じる職員室

 

「私には何が何でも成し遂げたい願望があります」
と、口を開いた白水理事長。

 

職員室で談笑する先生たちの姿

 

「先生たちが日本一幸せを感じられる職員室を作ることです」
と続けた。

 

白水学園の一番の魅力は“先生”だという。
そんな先生たちが、幸せを感じられる職員室とはどんなものか。

 

白水理事長はこう説明する。


日本人ほど、人間関係を意識する国民性はない。
心の根本に、“和”を大切にするというDNAが
流れているからだと思う。

 

また、最近では園を訪れる学生たちからも
「人間関係はどうですか?」
と、必ず聞かれるようになった。

 

全ての人と上手くいくことは難しくても、
ここまで気にしている人間関係、
「良いほうがいいのは、明らかですよね?」(白水理事長)。

 

白水学園の人間関係は悪くはなかったが
仕事の成果を求めるがあまり職員室の「安心感」は足りなかった。

 

その安心感があり、良好な人間関係を構築するポイントは
“お互いをもっと知り、お互いを尊重する”こと。

 

相手が大切にしているものを大切にし、
好きなもの、長所を互いに共有し、
理解することが重要。

 

役職や経験に関係なく一緒に働くメンバー同士で
「傾聴・支援・励まし」を合言葉に良好な人間関係を目指した。

 

そのために白水学園では、
お互いのことを知るための研修を実施している。

 

人と人との違いを理解したうえで、
「違いは違いであって、間違いではない」
という意識づけをするためだ。

 

お互いに励ましあう仲間の存在

 

また、“あたりまえの基準作り”
徹底をしているという。

 

職員室での“あたりまえ”という規律を設けつつ、
“思いやり”を持つことの重要性を説く。

 

「どちらか片方だけではなく、良好な人間関係を築くには、規律と思いやりの両立が大切です」(白水理事長)。

 

さらに、白水理事長は、上司や先輩の先生は
「まず、先生たちを支援すると決めることが大切」と力説する。

 

せっかく出会ったご縁を大切にし
「我々はその人の最大の理解者でなければならない!」と…。

 

そして、「一人ひとりの“なりたい自分”を実現する舞台が白水学園であってほしいと、言い切る。

 


上司がいる意味とは

 

「先生たちが悩んだり、上手くいかなかったりする時は必ずある。そういう時のために、上司や先輩がいるのです」と、白水理事長。

 

なんでも聞きやすい雰囲気づくり

 

子どもの成長を信じることは簡単ではない。
そこには何が何でも成長させたいという「信念」が必要だ

 

園児にはいろいろなタイプの子がいて、
育ってきた環境も違う。

 

得手不得手があって、
できるようになるスピードもそれぞれだ。

 

思い通りにいかないのが人生ではあるが
“失敗”や“挫折”する姿を目の当たりにすると
保護者も心を痛める。

 

子どもの気持ちになって、
悩み、苦しむ先生たちもまた
そのプロセスで葛藤をしている。

 

「この子はもしかしたら、できないのかもしれない…」と、
子どもの成長に疑いの気持ちが生まれることもある。

 

そんな風に、先生の前に大きな壁が現れたとき、
「どうしたら、園児はできるようになるだろうか?」
と、一緒に考えるために上司や先輩がいる。
傾聴し、支援し、励ますために上司や、先輩がいる。

 

若手を支えるベテランの先生

 

「僕は、先生たちがチームとして一緒に考えている姿こそ、白水学園の魅力だと思っています。後輩たちの可能性を信じてあきらめない先輩たちの姿がね!」(白水理事長)

 


来世はソフトバンクホークスか理事長か

 

白水理事長に聞いた。
『白水理事長にとって、先生の仕事とはどんなものですか?』

 

「日本一素晴らしい仕事です」即答だった。

 

しかし、後からこう続く。

「もし、生まれ変わったら、ソフトバンクホークには入りたいんですよ(笑)でも、引退したらやっぱり理事長を絶対やります。それくらいワクワクする仕事です!!!」

 

キリっとした表情が崩れ、無邪気な笑みが浮かぶ。


白水理事長の
父は学園の2代目理事長、
母はエリア内で初の女性小学校校長になり
幼いながらも両親の多忙を感じていたという。

 

大学卒業後は社会勉強のために、
ホテルに就職し、ベルボーイや営業職に勤め、
「相手の願望を叶える」という考えを学んだ。

 

厳しい上司に鍛えられるも、
「簡単には諦めない」という
母譲りの気合と根性で5年間続けたという。

 

白水理事長が28歳の頃、
小学校の先生をしていた姉が亡くなったのをきっかけに
跡継ぎとして入職した。

 

その後
36歳で園長になった
父親から言われたのは
「お前の好きなようにやりなさい」の一言だけ。

 

翌年、父親が他界し
園長歴1年で理事長を務めることとなる。

 

「すぐに理事長になってしまったのは想定外だったが、『好きなようにやりなさい』という言葉のありがたみを感じながらやってきた」と振り返る。

 

しかし、元号が令和になってから
園児数減少や若手の先生の定着率の悪さに
思い悩んでいた。

 

それからの約5年間、
毎日午前0時に寝て、2時間半後には
目が覚めてしまうような生活を送っていたそう。

 

園児数1000人以上の規模を15年以上保ってきたという実績が
プレッシャーに変わり、白水理事長に重くのしかかっていた。

 

55歳の頃、不安の中に見つけた答えは
「今、園にいる先生に、幸せを感じてほしい」という想いだった。

 

そのために変わらないといけないのは
「自分自身だ」と考えた白水理事長は
新しい学びに挑戦する決意をしたという。

 

自分の考えを伝える大切さ

 

それまでは、研修に行って学んでも、
先生たちに学んだ“知識”を伝えるだけ。
「“知識”だけ教えても意味がない。3日も経てば忘れて、自分のやり方・・・“我流”に戻ってしまう」

 

だからこそ自分自身が学び続ける選択をした。
「人はいつからでも、どこからでも変わることができる」
この言葉を信じ、
良好な人間関係を築ける
“考え方”
先生たちをリードしていけるマネジメントの“技術”を学び続けている。

 

進化を続ける、白水理事長。
新しいことを受け入れるために必要なのは
何が何でも成し遂げたいと思う
“燃えるような願望”だという。

 

しかし、そんな白水理事長でも時々、
「もう年もとってきたし…」「少子化だし」「採用難しいし」と言い訳しそうになる時がある。

 

先生たちを幸せに導く

 

すると、心の中にいる“リトル タケシ”がこうささやくのだとか。
「タケシよ~…先生たちが日本一幸せを感じる職員室をつくるんだろ?こんなところで、諦めていいのか?」と…。

 

「人生は選択の連続。より良い選択ができる職員室の環境を整えていきたい」と、最後につぶやいた。

募集要項

園の概要

法人名
学校法人白水学園
園名
森の木幼稚園
くすの木幼稚園
所在地
森の木幼稚園 〒816-0851 福岡県春日市昇町2丁目85
くすの木幼稚園 〒816-0823 福岡県春日市若葉台西6丁目103
連絡先
森の木幼稚園 092-592-3977
くすの木幼稚園 092-571-0254
園公式ホームページ
https://www.shirouzu.ed.jp/

採用

採用担当
くすの木幼稚園 安部恵子(あべけいこ)、吉鹿恵美(よしかめぐみ)
リクルートページ
園公式のリクルートページはこちら↓ 
https://www.shirouzu.ed.jp/recruit/

施設概要

法人名
学校法人白水学園
園名
森の木幼稚園
くすの木幼稚園
代表者名
(ふりがな)
理事長 白水剛
(しろうずたけし)
住所
森の木幼稚園 〒816-0851 福岡県春日市昇町2丁目85
くすの木幼稚園 〒816-0823 福岡県春日市若葉台西6丁目103
電話番号
森の木幼稚園 092-592-3977
くすの木幼稚園 092-571-0254
園のサイトURL
https://www.shirouzu.ed.jp/
リクルートページURL
https://www.shirouzu.ed.jp/recruit/
お問い合わせ先:
学校法人白水学園 / 森の木幼稚園・くすの木幼稚園
TEL : 森の木幼稚園(092-592-3977)・くすの木幼稚園(092-571-0254)