【宮崎県宮崎市】遊びで学ぶ子どもたち!師の言葉を胸に、自分らしく園児に向き合う下苙園長
学校法人三育学園 幼保連携型認定こども園 光が丘幼稚園
- 遊びで成長
- 泥んこ遊び
- 認定こども園
- 充実の研修制度
- 宮崎県宮崎市

理事長兼園長の下苙敏大先生
理事長兼園長 下苙敏大
1977年4月24日生。宮崎県にある光が丘幼稚園の園長と理事長を勤めている下苙園長。はじける笑顔と大きな体が、周りにいる人の心を自然と温める。プライベートでは3人のお子様を持つ父親。最近は中学3年の息子とする野球が休日の楽しみだが、平日より起床時間が早いのが悩み。ご自身も、小学校から大学まで野球をしていた経験者。今は週1回、年長児を対象にした野球教室を開催し、野球好きを増やそうと画策しているそう。
目次
子どもが一番伸びる声かけを
「リス組の飲み薬!」
人生の時間を園にいただいている
あなたも光が丘幼稚園の先生
師の言葉
子どもが一番伸びる声かけを
「子どもたちの気持ちを一押ししてあげることが先生の役目」と語る下苙園長。子どもたちとかかわる先生たちには“マイナス”ではなく、“プラス”の言葉を使うよう呼びかけている。
例えば、広い園庭を走り回っていた園児が転んでしまったとき、大きな瞳のふちにウルウルと涙がたまり、飛び出す用意を始めたとする。今にも泣きだしてしまいそうなその子に、いったいどんな言葉をかけるのがいいのか。

かけっこをする園児たち
「大丈夫?」
これは、多くの人の頭に浮かび、このシチュエーションに置かれた多くの大人の口からこぼれる言葉だろう。
しかし、「大丈夫?」と言われた子どもの大半は用意していた涙を抑え込むことができず、声をあげて泣いてしまう。泣いてしまえば、
起き上がってまた走り出すまでに時間がかかってしまうものだ。
では、光が丘幼稚園の先生はどのような言葉をかけるのか?
「こけ方上手かったね!」
このような声かけをすることで園児たちはもう一度起き上がり、砂を払って、走り出すことができる。下苙園長は「なんでも先生がやってあげるということではなく、その子の性格や家庭環境などを考慮し、その子の段階に合わせたサポートをすることが大切」と語る。光が丘幼稚園では、声かけのプロたちのサポートのもと、“失敗”からの再スタートの仕方を学ぶことができるのである。

園庭で遊ぶ子どもたち
そんな声かけをするために、重要なポイントを下苙園長は次のように説明する。「子どもたちが落ち込んでいる瞬間を見逃してはいけない。難しいことだけれど、先生は見逃さないように、頑張らなければならない」
泥団子の教科書は?

園児が作ったピカピカの泥団子
ピカピカの泥団子を作りたい園児たちにとって泥団子の作り方を記した教科書があれば、それは宝の地図や魔法の杖に相当する誰もが欲しがるものになるだろう。しかし、光が丘幼稚園では“あえて”それを置くことをしない。
子どもたちが、まとまらない砂を一生懸命、丸めようとしたり、きれいな丸にならないからと、あっちこっち削ってみたり、水分が足りず、割れてしまった泥団子を登園時に発見したりして、“失敗する”という経験の機会を与えるのだ。
上手くいかない泥団子づくりに、悩む園児たちは隣の子の手元をチラリと見てふむふむ…と真似をしてみたり、お友達や先生に「どうやったら上手くいくの?」と、聞いてみたりする。下苙園長は「こうやって集団の中での関わり方を覚えていくんです」と、説明した。

砂場で遊ぶ園児たち
光が丘幼稚園の園児たちはこのように“遊び”を通して失敗の悔しさや自分だけの発見、成功の喜びを知る。それは決して、知識をつけるだけのものではない。
「悔しい」「うれしい」「悲しい」「うらやましい」「ワクワクする」
遊びの中で感情が引き出され、心も豊かに成長していくのだ。
「リス組の飲み薬!」
「子どもたちは純粋で裏がないんです。だから、人間の素の部分を見ているよう」と語る下苙園長。
給食が終わった、ある日の昼下がりのこと。光が丘幼稚園のリス組の教室ではこんなことがあった…。
飲み薬を持参する一人の女の子。先生と一緒にお薬を飲もうとしていた時、周りのお友達が、女の子が持っているお薬ケースを見て、「これは●●ちゃんのじゃないよ!リス組みんなで飲まないといけないんだよ!」と言い出す。
当然のことながら、先生はお友達の園児に尋ねる。「どうして、リス組みんなで飲まないといけないの?」
すると、薬を入れているケースに書いてあった「のみぐすり」の文字を右から順番に指さして言った。
「ここに、“りすぐみの”って書いてあるでしょう?だからみんなで飲まないといけないの!」
大人であれば左から読むのが当たり前。しかし子どもは右からも読んでしまう。
この園児の行動だけを見れば、薬がどんなものか知らず、お友達の物を羨ましがって取り上げてしまおうとしたのかと、誤解してしまうかもしれない。「子どもたちを、大人の考えだけで決めつけてはいけないと学ばされた」と、下苙園長は笑っていた。
夏になれば、相撲を取りたがる光が丘幼稚園の園児たち。テレビでよく見るからか、定期的にブームが訪れるのだとか。下苙園長のもとには複数の挑戦状が届いているそうだが、「負けたことはありません!」と自信満々のご様子。
「『大人ってすごいんだな』って思わせることで、早く大人になりたいと思ってほしい」という狙いのもと、手加減はしないのだとか。
子どもの純粋さを面白がり、尊重する半面、大人としての威厳も見せる。園児と先生がお互いを尊敬しあう光が丘幼稚園の環境を垣間見ることができる。
人生の時間を園にいただいている
先生たちへの想いの根本には「先生たちの人生の時間を園にいただいている」というものがある。故に「先生としてだけでなく、人としても成長してほしい。それが、先生の豊かな人生につながっていくから」と、下苙園長は語る。
園児にとっても、先生にとっても、指導案に書いていない場面や背景にこそ大切なことが隠されていると考えている。そんな、些細だけれども重要なことに気付けるよう、毎月の給与明細は個人面談形式で渡しているという。

勉強熱心な先生たちの姿
下苙園長と先生との1対1で話す機会を設け、保育への不安や悩みについて話をしている。そんな下苙園長にとって“先生”とは、終わりも答えもない中で、何が最善かを考えながら保育をしていく仕事である。そしてその考えは、まじめな光が丘幼稚園の先生たちの姿に写し出されているように思う。
あなたも光が丘幼稚園の先生
「役割がなにであっても光が丘幼稚園の先生」と話す下苙園長。「だから、バスの運転手さんもパートさんも皆、研修にも参加してもらっています」

研修の様子
そんな、光が丘幼稚園には様々な研修が用意されている。座学の研修もあれば、他園に視察も行く。特に先生たちに人気の研修は“ディズニー研修”だろう。ディズニーリゾートのホスピタリティを学んでほしいという目的はあるものの、「ご褒美的な研修です」と優しく微笑む下苙園長。
研修日が近づくにつれて、参加する先生たちはソワソワしだし、休み時間の話題はもっぱら「何に乗る?」「どこを回る?」といったもの。浮足立つ先生たちの様子を見て、下苙園長がニコニコ笑う光景が浮かぶ。
光が丘幼稚園に多くの研修が用意されているのは、下苙園長自身が学び続けているからだ。「学ばなくなったときに老いが始まる」と、警告を鳴らしていた。

ご褒美的な研修はディズニーだけじゃない!
師の言葉
下苙園長には、保育をするうえで大切にしている言葉がある。
「先生は先に生まれたんじゃない。先を生きているんだ」
「先生と園児は1対20の関係ではない、1対1×20の関係なのだ」
「保育は反射神経だ」
これらは、下苙園長が“園長”として成長する中で出会った尊敬する先生たちからの言葉である。

木の上に何かを見つけた子どもたち
下苙園長は若くして両親を亡くした。創立当初から光が丘幼稚園に勤めていた副園長からの助言もあり、下苙園長は大学卒業後すぐに、園に入ることになった。いつか、園に関わるのだろうと思い4年制大学の教育学部に通っていた下苙園長だったが、「大学を卒業してから、2年後に園長になるとは思っていなかった」と、当時を振り返る。
しかし、園の経営や園長としての仕事を教えてくれる人はいなかった。
「いいお手本はないか」と、探し回った。
そうして出会った先生たちが、下苙園長の師となったのだ。だが、下苙園長は学びつつも真似をしないことを意識している。「自分の中に落とし込み、自分のいる環境で何を取り入れることができるのか考えて実践している」
現在の光が丘幼稚園の保育はもちろん、下苙園長自身の想いを形にしたものだが、園長の心の中には師への尊敬や感謝があふれていた。