【埼玉県富士見市】埼玉県内に8園!!“伝えられること”の喜びを知る石川理事長。過去の経験が職員に寄り添う優しさに
きたはら学園グループ きたはら幼稚園など埼玉県内に8園
- 埼玉県富士見市
- コミュニケーション
- 気持ちを伝える
- 保育園
- 認定こども園
- 自然豊か
- 素直
- 挨拶
- 元気

石川泉理事長
理事長 石川泉
1951年9月4日生。幼少期は園に通わず、自然の中でのびのびと成長した石川理事長。蛍を捕まえて蚊帳に離してみたり、木登りをして遊んでみたり、とにかくアクティブ!捕まえたカエルやザリガニを器用にさばき、料理をして食べたりしていた美食家の一面も。石川理事長曰く、「カエルは鶏肉みたい」だそう。現在は歌舞伎や映画鑑賞が趣味といい、大人の落ち着きを感じることができる。
目次
変わらない子どもの本質
コミュニケーションのための国語力
シンプルで最良
伝えられないということ
妻の一声
変わらない子どもの本質
埼玉県内に認定こども園や保育園を8園、構えるきたはら学園グループ。グループを取り仕切る石川理事長は、園児に「大人になった時に、1人で生きていけるように育ってほしい」と話す。
「1人で生きていけるということは、社会人としてのルールを守れて…そうですね、人に大きな迷惑をかけないということです」と続ける石川理事長は「人は、周りの人に迷惑をかけるものだから、大きな迷惑をかけなければいいんですよ」と、優しい笑みを浮かべた。

シャボン玉で遊ぶ園児たち
しかし、良し悪しの判断の基準となる“社会にとっての良いこと”は、時代の巡りに合わせて変化していく。石川理事長は「海外では、良し悪しの基準が宗教であることが多く、時代によって変化することは少ない。日本には、そういった強力な宗教が存在せず、時代の特徴に合った基準が作り上げられてしまう」と、見解を語る。
子どもたちの未来で、今と同じようにしていることが良いことかは分からない。だから、どんな時でも、良し悪しを自分で判断できるようになることが、子どもの成長には必要だ。
そんな成長を促すスパイスは“実体験”だという石川理事長。目の前のものに対して、「不思議だな?」「おかしいな?」と興味や疑問を持てるようになることが、成長の第一歩であると教えてくれた。
例えば自然に触れ合うことで、植物の種から実りまでを見ることができる。同じ場所で同じように、同じ種類の植物を育てはずなのに、“育つ木”と“育たたない木”があったりする。「なぜだろう?」と、疑問を持ったと子どもたちは、“探究すること”を学ぶのである。

苗を植える園児たち
苦手な野菜も、自分で作ったものは「おいしい!」と思って食べてしまうかもしれない。「これはおいしいな、不思議!」と、野菜に興味を持った子どもたちの目に写る緑の葉っぱは、ただの葉っぱではない。“ナスの葉っぱ”、“キュウリの葉っぱ”という名前を持ち、知識へと変わるのだ。
時代が変われば、社会にとっての良いことは変わると説く石川理事長だが、“子どもの本質”は変わらないという。
「今も昔も、子どもたちは面白いこと、危険なことが好き!」と無邪気に笑う石川理事長。
しかし、現代社会の過保護さ故に、子どもたちの遊び方は変化している。公園の遊具は次々に閉鎖され、木登りをする子どもを見れば「危ない!降りなさい!」という声が聞こえてくる時代だ。「安全性は大切」。石川理事長は深くうなずきながら言う。
巡る時代と変わる価値観の中、変わらない子どもの本質を見つめる石川理事長が作る園という環境で、子どもたちはあの頃と同じように笑うのである。
コミュニケーションのための国語力
「言葉を知っているのと、知らないのとでは、表現が大きく変わる」という石川理事長。そんな、きたはら学園グループの園では、日本語の読み・書き・音読などを行う国語教育に力を入れている。
“国語力”を身に着けることの、本当の意味を石川理事長は“コミュニケーション”だという。「語彙を覚えることが重要なのではないのです。自分の想いを相手に伝える術を知ってほしい」

絵本の読み聞かせをする先生
“国語力”がなく、自分の気持ちを正しく伝えることができなければ、お友達とケンカしてしまうかもしれない。
“国語力”がなければ、相手の説明の意図を理解することもできない。指示を理解できず、その場に立ち尽くしてしまうかもしれない。
“国語力”がなければ、先生の話を面白いと思うことはできず、集中力は続かない。

集中して先生の話を聞く園児たち
文字を目で見て、言葉を耳で聞いて、話をすることで、“国語力”を身に着けた子どもたちは、胸の内にある想いを正しく伝え、相手の想いを正しく受け取ることができるようになる。“コミュニケーション力”を育むのだ。
シンプルで最良
先生に求めることは“元気で明るいこと”。
その第一段階は“挨拶”である。

園児と水遊びをする先生
石川理事長は、各園で働く先生たちに求めていることについて、「当たり前のことだが、最初の人間関係は“挨拶”から始まります。それに、子どもたちと接する先生には、明るいコミュニケーションをとってほしいと思いますから」と、説明する。
実際に、きたはら学園グループの園に就職を決めた先生の中には「学生時代に参加した園見学で、先生たちの元気な“あいさつ”が印象に残り、人間関係への不安が軽減した」と話す人もいる。

園児とおままごとをする先生
元気な挨拶も、明るく人と接することも、良いコミュニケーションをとる方法としてはシンプルな手法である。しかしそれが、最良の第一歩であることを、石川理事長は伝えている。
石川理事長がそれに気づいたのは、園の経営に携わる少し前。大学卒業後に就職した銀行で学んだ、社会人としてのマナーが元になっているようだ。次項では当時を振り返りながら、石川理事長の核となる部分を深堀りしていきたいと思う。
伝えられないということ
石川理事長は工業高校を卒業後、大学では電子工学について学んでいた。卒業後は銀行に就職し、コンピュータを操作する部門に配属された。コンピュータが開発されて間もないころのこと、石川理事長が優秀な新入社員であったことがうかがい知れる。

園児と遊ぶ先生の姿
それは、言葉の理解や表現に課題のあった石川理事長が持っていたプライド「喋ることができないなら、頭で勝負しよう!」という気持ちが強く働いたからかもしれない。
中学生ごろから言葉に対する課題があったという石川理事長。高校時代はアマチュア無線機を使い、知らない人と会話をすることで「話す練習をしたこともあった」と打ち明ける。
「本当に辛いんですよ。伝えられないって」
当時を振り返る石川理事長は、一言の本音をこぼす。
今では「極度のあがり症だったのかもしれない」と、笑顔で話す石川理事長。そのころの “辛さ”は、先生たちの心に寄り添う“優しさ”に変化している。

園児と遊ぶ先生
「顔を見て話すことが大切なんです。そうですね、表情からわかることもあります。話すことで、先生がどんなことに悩んでいるかがわかります。それに、人に話すだけで、悩みや不安が昇華することだってありますから」。そう語る石川理事長の笑顔からは、壁に立ち向かい、乗り越えただけの強い信念のようなものが感じられた。
最後に、「トラブルが起こらないようにするためにも、担任が保護者とよく話をすること、コミュニケーションをとることが大切ですよ」という石川理事長。伝えることの重要性も、伝えられることの喜びも、石川理事長だから“伝えられること”なのである。
妻の一声
石川理事長が園の経営に携わることを決めたのは23歳のころ。前理事長を務めていた父親が亡くなったことがきっかけだった。
「父親と喧嘩をしてしまってね。そのまま家を出た、その日に亡くなってしまって。結局、けんか別れだったんです。でもね、そんな父親が命を懸けて築いてきた園を、守りたいと思ったんです」

きたはら幼稚園の園庭
社会人になって1年と数カ月程度の青年がそう決断することに、どれほどの覚悟が必要だったか、はかり知ることすらできない。
「何をしていいのか分からない」という石川理事長を支え続けたのは、銀行員時代に出会った妻の存在だった。「妻は背中を押してくれる存在です」という。
その後、石川理事長は「わからないことは、人に聞くのが1番!」という考えの元、様々な研修に参加して、一つ一つ学びを深めていった。35歳から応募できる海外派遣制度も活用。参加者最年少にして、24カ国120施設の幼稚園を視察した。石川理事長によると、「そこで得た知見や海外の園舎造りを、今の園舎デザインや環境づくりに繋げた」という。

きたはら幼稚園の外観
「経営は決断」という石川理事長だが、その考え方にも妻のサポートが影響しているようだ。1987年ごろ、石川理事長は初めての園舎の建て替えに悩んでいた。担当する設計士とのコミュニケーションがうまく取れず、時間だけが過ぎていく日々。そんな様子を見ていた妻は一言、「どうせやるなら、早くやったほうがいい」
その言葉は、石川理事長の背中を押し、建て替えをすることに決断した。「それで、園舎のトイレを全部、洋式に変えたんですよ。そうしたら、その当時には新しすぎて、園児たちが使い方を知らなかったんです」と、笑い声を上げながら話す石川理事長。
時代を先行しすぎるほどの、先見の明をもつ妻を「彼女は、私よりも経営者だなと思うんです」と語る石川理事長の笑顔は幸せに満ちていた。